おっぱいが充分に出ずに悩んでいて、解決策を探すべく、いろいろな本を読んでいます。
中でも出産前に読んでおけばよかったーと後悔しているのが、
牧野すみれさんの『ちょっと理系な育児〜母乳育児篇』。
ちまたで母乳についていろいろな「べき論」が溢れているけれど、
それって本当?
科学的にどうなの?
根拠あるの?
という視点で、主にWHOのガイドラインを紹介しながら説明されています。
知らなかった事実がたくさんあって、衝撃でした…
出産前に知っていたら行動が変わっていたなぁと思うことが多々あり、なんで読んでいなかったんだーと後悔しております…。
これから出産を控えている方、ぜひ読んでおいていただきたい!!
『ちょっと理系な育児〜母乳育児篇』を読んで衝撃だった母乳のウソ・ホント
最初は特に、哺乳瓶でミルクはあげない方がいい
哺乳瓶でミルクをあげない方がいい!
これは本の冒頭に紹介されている、WHOガイドラインの
「母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ」の中にある2ステップ、
「医学的に必要でない限り、新生児には母乳意外の栄養や水分を与えないようにする」(ステップ6)
「母乳で育てている赤ちゃんに哺乳瓶の乳首やおしゃぶりを与えない。」(ステップ9)
から知った事実。
この10ステップとは、WHOが産科施設が守るべき内容をまとめたもの。
(※お母さんが守るべき内容、ではありません。)
ちなみに、その10ステップの内容はこちら▼
母乳育児推進の方針を文書にし、すべての関係職員がいつでも確認できるようにする。ステップ2
この方針を実施するうえで必要な知識と技術を、すべての関係職員に指導する。ステップ3
すべての妊婦に母乳育児の利点と管理方法を教える。ステップ4
出産後30分以内にお母さんが母乳を飲ませられるように援助する。ステップ5
お母さんに授乳のやり方と、赤ちゃんと離れなければいけない場合の分泌維持の方法を(図や模型を使って)見せて教える。
ステップ6
医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにする
ステップ7
母子同室にする。お母さんと赤ちゃんが24時間一緒にいられるようにする。
ステップ8
赤ちゃんが欲しがるたびに授乳することを奨励する。
ステップ9
母乳で育てている赤ちゃんに哺乳瓶の乳首やおしゃぶりを与えない。
ステップ10
母乳育児をしているお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院する時にはそれらのグループを紹介する。
この10ステップにはそれぞれ科学的根拠があるそうです。
私がびっくりしたステップ6の
「医学的に必要でない限り、新生児には母乳意外の栄養や水分を与えないようにする」というのは例えば、
- ルーティン的にミルクを与えられない。
- 効果的な授乳のやり方を教えられないまま、ミルク補足を判断されない。
(21ページ)
です。
ステップ9の
「母乳で育てている赤ちゃんに哺乳瓶の乳首やおしゃぶりを与えない。」は、
- 赤ちゃんに、搾乳やミルクなどを飲ませる場合は、哺乳瓶ではなくコップやスプーンを使う。またお母さんにもその方法を教えてくれる。
- 赤ちゃんを泣き止ませたり落ち着かせるために、おしゃぶりを常用しない。
(21ページ)
というもの。
私が行っていた病院、産んだ初日から
「3時間おきに(もちろん哺乳瓶で)ミルク20ml与えるように」という指導でした…(T_T)
おもいっきしルーティンやーん!
コップでもあげられるなんて聞いたことなーい!
もちろん母乳を最初に与えてからミルク、という順番だったものの、
たとえ母乳がそんなに出ていなくてもミルクを足さなくていい、なんて言われなかった…!
母乳の生産が始まるのは産後3〜5日後らしい。
私の場合は、出産の2日後の夜、胸がかっちかちに張って眠れないくらい痛かったです。
(会陰切開の傷や恥骨痛、出産時の筋肉痛もあったので、どんだけ全身痛いねん!と思った…)
これは別の記事で読んだのだけど、赤ちゃんは生まれた時3日分くらいのお弁当箱を持ってくるそうで、その間全く母乳が飲めなくても生命を維持できるみたい。
分泌し始めた初日に生産される母乳は1日で40〜50mlで、
生まれたばかりの赤ちゃんにとっては充分なんだそう。
私は出産時600ml超えの出血多量だったので
そんなに母乳が出ていた自信はないけれど、
それでも無理にミルクを足さなくてもよかったみたい。
産後3週間くらいして自治体の助産師さんがお宅訪問で来てくれた時、
ヒナが乳頭混乱に陥ってしまったことを相談したのだけど、
助産師さんは
「あの病院は初日からミルクあげるから、あの病院で産まれた赤ちゃんは乳頭混乱になってる子多いわよ〜」と言っていました。
近くの別の病院は、大きくはないし無痛分娩もないけれど
母乳のみで育てることに重きをおいているので、
赤ちゃんがどんなに泣いてもミルクは足さないらしい。
もし第二子を授かったら、母乳育児という目線でも病院探しをしなくてはな〜と思いました。
そして、出産したら、最初はミルクは与えず、そんなに出なくても母乳だけをあげることにしようと心に決めました!
妊娠中のおっぱいマッサージはする必要なかった!
正産期(37週〜)を過ぎると、
「そろそろおっぱいマッサージをした方がいい」というのを、
病院でもSNSでも聞くようになります。
それまでは子宮の収縮を促してしまうのでしない方が良いです。
私は37週を過ぎて、体がいよいよ重くなってきたのがしんどくて
「ああ早く産みたい〜」とか言いながらも
実際子宮が収縮してお産が始まってしまうのが怖かったのと、
マッサージってどうやっていいかわからなかったのと、
そもそもマッサージをする目的を理解していなくて、
(出産したらすぐ母乳が出ると思っていた…)
やっていませんでした。
出産して授乳が始まって、思ったように母乳が出ないことに気づいて、
もしかしたら妊娠中にマッサージをしていなかったのも原因のひとつかもなぁと
自分を責めていました。
が、この本(52ページ)によると、妊娠中の乳首マッサージはしなくていいとのこと!!
というのも、WHOが不要だと言っているから。
その根拠となっている論文にはこう書かれています。
妊娠中に「ホフマンのエクササイズ」と「ブレストシェル」を使用するように推奨することは、産後6週時点での母乳率を上げるために臨床的に有意義なメリットはなく、これらの処置は、妊娠中の女性に推奨するべきではない。
この論文では陥没、扁平乳頭の女性が「ブルックス・ホフマン式」「ブレストシェル」のやり方で妊娠中にマッサージをした結果母乳率がどう変わったかを調べています。
結果、妊娠中の乳頭マッサージで母乳率は上がらないのです。
病院で看護士さんたちに、
「これだと授乳難しそうだからマッサージしておいてね!」と言われても
気にしなくていいみたい。
そして私の母乳不足は、妊娠中のマッサージはあまり関係なさそう…!
おっぱいをあげるベストタイミングは赤ちゃんがサインを出している!
出産して入院している時は病院から「3時間ごとに母乳とミルクをあげてください」と言われていました。
「赤ちゃんが寝ていても起こしてあげて」とのこと。
が、これもきっと夜間赤ちゃんを預かってくれる医療スタッフさんが管理しやすいからだろうなぁと思っていました。
退院してからは、寝ている時は起こさずに寝かせて、
起きてお腹がすいた〜と泣き出したらあげよう、ということにしました。
が、乳頭混乱に陥ってからは
一度泣いてしまうとおっぱいは受けつけてくれず、さらにギャン泣きに…。
とっても悲しくてしばらく鬱々としていたけど、
ある時ヒナを観察していて、
寝起きのぼーっとしている時におっぱいをあげてみたところ飲んでくれて!
1ヶ月を過ぎた頃からは指をしゃぶりだして、
そのタイミングであげるとまた成功率が高くて!
今では寝起き&指をちゅぱちゅぱしている時にあげると
だいたい拒否せず飲んでくれるようになりました(涙)
そこらへんからやっと、親都合のタイミングで授乳すると失敗する、
赤ちゃんをよく観察して、赤ちゃんが飲みたいタイミングであげるといいんだ、ということがわかりました。
私は自分のトライアンドエラーでこの結論にたどり着いたけど、本にはちゃんと書いてありました…!!
早く知りたかった…!!
(よくよく考えればわかることだけど、病院での3時間スケジュールに慣れてしまってからだとなかなかこの発想に至らなかった…)
この話は55ページから書かれています。
日中・夜間関係なく欲しがるたびに、赤ちゃんが母乳を飲む準備ができたサインを示した時は、いつでも授乳することを奨励しましょう。
これを、「要求に応じた授乳」「赤ちゃん主導の授乳」「制限なしの授乳」といいます。
ああくまでも赤ちゃんが主導、というのがポイント。
さらに赤ちゃんが飲む準備ができた時のサインも書かれています。
レベル1:目覚める前
- 体の一部をピクピク動かす
- くねくねさせる
- 頭の向きを変える
- もぞもぞと落ち着きをなくす
レベル2:レベル1のサインが無視されると…
- 鼻をクンクン言わせる
- イライラする
レベル3:レベル2のサインも無視されると…
- 徐々に泣き始める
- 最終的には大音量で泣く
我が家の場合、最初はレベル3になってから母乳をあげようとして失敗していたけれど、
- 寝起きで目がうっすら開き出す
- 指をしゃぶりだす(1ヶ月過ぎた頃から)
というレベル1のサインに気づいてあげるようにしてからはうまくいくようになりました。
出産前にこの本を読んでいたらもうちょっと早く気づいて
スムーズに母乳育児ができていたかなぁと思います。
(とはいえ本を読んでいても自分ごとになっていなかったらさら〜っと読み飛ばしてしまっていたかもしれないな…)
ということで、もっと早く読んでおきたかったこの本、
特に今妊娠中の方におすすめです!!
最後まで読んでくださってありがとうございます♪
関連記事
母乳不足に悩んで母乳が増えると噂のハーブティを飲み始めました!
Comments