最近 Thank You for Being Lateという本を出版した
Thomas L. Friedman氏の講演が北京大学であったので、行ってきました。
講演のタイトルは 英語は ”What We should Do in the Age of Accelerations?”
中国語では「面对科技翻天覆地,我们该做些什么?」
テクノロジーによって加速している世の中の変化にどう対峙すべきか?というテーマでした。
▼会場は北京大学の光华2号楼阿里巴巴报告厅でした。
(この建物で毎週授業受けてました。久しぶりに行って懐かしかった!)
▼ピューリッツァー賞を3回受賞していたりニューヨークタイムズに記事を書くようなすごいジャーナリストさんなのだけど、話している姿は完全に陽気なおっちゃんでした(←失礼)。
なんとも親しみやすくて話もわかりやすくて素敵な方!!
加速度的な環境の変化にどう対応するか
▼フリードマン氏曰く、
テクノロジーは加速度的に進化していて、今や人間の変化適応能力を超えてしまっていると。
Moore’s Law (ムーアの法則)の話も出ました。
“Learn faster, keep up with the technological change and govern smarter.”
(これからは、今までよりももっと速いスピードで学習し、進歩する技術についていき、それをより賢く使いこなすことが必要。)
学校に行って勉強したらそれではい終わり、ではないですよ、と。
“Life long learning is the competitive advantage.”
(人生という長いスパンで勉強し続けることが、アドバンテージになる。)
学びに終わりはないのですよね。
Cyber Spaceでどう生きていくか
言わずもがなですが、インターネットの発達も私たちの生活にすごく大きな影響があって。
“In 2016, 51% of life moved to cyber space. “
(2016年には私たちの生活の51%がサイバースペースに移っている。)
例えば交際相手をネットで見つける、ネットショッピングをする、ネット上でコミュニケーションをとる、ネットで食事を注文する、などなど。
中国に住んでいる今は、この割合はもっと高いような気がします。
決済だってもう微信支付や支付宝のアプリだし(現金なんてここ数ヶ月ほとんど触ってない!)、タクシーもスマホで滴滴アプリ、外卖(デリバリー)もアプリ経由。自転車ですらofoやmobikeなどのアプリを使う。
生活のほとんどがネット(中国では特にスマホアプリ)で完結している。
フリードマン氏曰く、
私たちは、私たちのご先祖さまたちが今まで経験してこなかったような世界に移りつつある。
サイバースペースには警官もいなければ神様もいない。
ネット上には玉石混交の情報が溢れていて、しっかりとしたフィルターもない。
サイバースペースでどう生きるべきか、みんなまだ探り探りである。
だからこそ、自分なりの価値観、ルールをしっかり持っていることが大事。
そのためにも、世の中がすごいスピードで変化すればするほど、目の見えないサイバーという世界に移行すればするほど、強い家族の絆(Strong Family)とかコミュニティ(healthy community)というものがより大事になってくる。
感想
速いスピードで変化している環境で、新しいものに対する追求心・好奇心を持つこと、そしてそれを常に学び続けていくことがますます大事になってくるのだなと思いました。どうなってるんだろう?なんでだろう?という疑問を持って自分で調べたり考えたりすることって、後々自分の財産になる気がします。
そして、サイバースペースに移れば移るほど、家族やコミュニティが大事になるという考え方も、納得できました。いくら情報が簡単に手に入る時代になったとはいえ、家族や所属コミュニティの教育は今まで以上にとても大事。何が正しくて何が良くないのか、どう考えるべきか、などなど、自分の根本になる価値観は家族やコミュニティによって形成されることがほとんど。そしてその価値観こそが無秩序に存在する情報のフィルターになる。周りの誘惑や雑音に流されそうになっても、そういう人たちが近くにいてくれることで踏みとどまれることもあるのではないかしら。
もう一つは、世界がサイバーに移っていっても、近くの家族やコミュニティを大事にすることで、きっと今までの平均値に近いところでバランスをとれるのだろうなということ。そういえば私も異国に来て、日本にいた頃よりずっと多くの他文化の人と接するようになって世界は広がったけれど、日本にいる家族や友達のことを大事に思う気持ちがより強くなった気がして。それと少し似ているかしら。
今回の講演を聞いて、変化に柔軟に、でも芯の通った、学び続けられる自分でいたいな、と思った次第です。
新しい著書、Thank You for Being Late、買って読んでみます。
Comments