ハルビンの文廟に行ってきました。
文庙とは
文庙とは、孔子を祭り、その教えを伝える場所です。
文庙の別名は先孔庙、先圣庙、师(師)庙、宣庙、夫子庙、圣(聖)庙など。
日本語では孔子廟、文廟。
孔子が亡くなった翌年(紀元前478年)に孔子の3間の旧宅を文庙としたことから始まり
唐代には全国各地にたくさんの文庙が作られ、
清末までに1500あまりの文庙が作られました。
2000年の時を経て、文庙は次第に独特の建築様式を取り入れるようになります。
坐北朝南(北に建物を置き、南を向く形)をとり、
南北の距離を9に割り、3ごとに建物を置く、という建築様式。
哈尔滨文庙
ハルビンのこの文庙は1926年に建築が始まり、1929年に完成。
東北地区で最大の建築規模であり、文庙としての位も高い。
清代の文庙の中で保存状態がもっとも良いとされている。
2万5千平方メートルの敷地内に、6千平方メートル以上の建築面積。
宫墙、棂星门、大成门、大成殿、崇圣祠,东西牌楼、掖门,は最も尊贵な黄琉璃瓦(黄色い瑠璃瓦)を使っており、
棂星门、大成门、大成殿の彩画は皇帝のみ許された建築形式である“金龙和玺”形式がとられている。
1985年から1988年までの三年間、改修工事を行い、
1988年の秋から正式に一般客に向けて公開しました。
参考:文庙 – 百度百科
一院
礼门
无字牌
雪が積もっていて美しいです。
泮桥
▼泮桥を渡ると棂星门が目の前に。
棂星门
孔子像
东宮厅
祭祀に参加する役人が
祭祀の前に酒やなまぐさいものを断つなどして身を清めたり(斋戒 zhāi jiè)、
休憩したり祭祀の準備をするところ。
孔子を祀る重大な役割である正献官(主祭官)。
北京の孔庙での正献官は皇帝が自ら行っていましたが、
有名な曲阜の孔庙では孔子の子孫である”衍圣公”たちが、
各地の文庙では各地の状元または最高行政長官が行っていました。
大型の祭祀の三日前には正献官は東西官庁に入り、体を清め、
誠心誠意 正献官を務めたと言われています。
宰牲厅
屠殺(とさつ)する場所。
祭祀時に捧げる祭品は”豊かで、清潔で、誠実で、敬意がなくてはいけない”という決まりがある。
牛は必ず黒く、体がしっかりしていて、50kg以上、鋤を引いたことがない乳牛でなくてはいけなかった。
羊は15kg以上の白い羊で、豚は40kgの黒豚でなくてはいけない。
屠殺する前には必ず牛羊豚に黄色い絹織物をかけて
牛に跪いて地に頭をつける儀式をしていた。
動物の血や毛はあらかじめ掘ってあった場所に埋めて清潔にしていた。
祭器庫
典礼の器具を保管していた場所。
お酒を入れる酒器、スープや肉などを入れる銅器、果物などを入れる竹木器、
手洗い用のお皿など。
(主祭官は祭祀の際、誠実さ、敬意、清潔さを示すために何度も手を洗わなくてはいけませんでした。)
名宦祠
名宦祠は祭祀の際、官宦にあてがわれた場所。
その地域に貢献した外地籍の役人たちに感謝の気持ちを示し、
後世にも忘れないでもらいたい、という意味も込めて建てられた。
乡贤祠
賢人のためのお部屋。
その土地出身の名人(政治で業績がある人、民に認められた役人、学問が秀でた者など。
乡贤祠はこうした名人たちの貢献を表彰し、
次世代が彼らを手本として学べるように、との意味を込めて建てられた。
乐器库
祭祀の際楽器や踊りの道具を入れていた場所。
编钟、编磬、古瑟、笙、排箫、洞箫、龙笛、篪など。
神厨
祭祀での捧げものを加工する場所。
宰牲厅で屠殺した肉を神厨に運んで、鍋などで調理していました。
質量、形、原料、加工方法などそれぞれ細かいルールがありました。
例えば魚は先に大粒の塩をまぶさなくてはいけない、
花椒を大量にかけなくてはいけない、
その際は魚の頭から尾っぽ、という順番でかけなくてはいけない、
火にかける時は薪は八寸の長さでなくてはいけない、
炭は鳥の骨から作った白炭を使わなくてはいけない、などなど。
西宫厅
东宫厅と同じく、
祭祀に参加する役人が祭祀の前に
酒やなまぐさいものを断つなどして身を清めたり(斋戒 zhāi jiè)、
休憩したり祭祀の準備をするところ。
式典の進行役係、引導係、音楽・舞の担当者、執事、雑用係などがここで準備していました。
▼金声門をくぐって二院へ。
二院
大成殿
大成殿の屋根の上には10の獣がいる。
伝統的な規定では6しかのせてはいけない、となっていますが、
この文庙が作られたのが特殊な時代(民国年间)だったので許されたと言われています。
10の獣とは▼
1 骑凤仙人
2 龙(龍)
3 凤(鳳凰)
4 狮
5 天马
6 海马
7 狻猊 suān ní(伝説上の猛獣)
8 押鱼
9 獬豸 xiè zhì(伝説上の怪獣)
10 头牛
ハルビンの文廟は大祭祀儀式の規格設計によって建てられているので、
北京故宮の太和殿と並ぶほど美しい。
▼大成殿の中
お庭に雪が積もって、綺麗でした。
観光情報
住所:南岗区文庙街25号
営業時間:08:30〜16:30(水曜日を除く)
入場料:無料
※パスポートを提示する必要があります。
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