こんにちは!
大河原美以さんの『子どもの「いや」に困ったときに読む本』を読みました。
まだヒナは0歳4ヶ月で言葉をしゃべらないので「いや」とは言わないけれど、言葉を話し始めてからどうしよう〜となる前に勉強しておかなくてはなぁと思って読んでみました。
脳のつくりのロジックの解説と、こういう時はどう伝えればいいのか、どうしつければいいのか、という指南がQ&A形式で書かれているので読みやすかったです。
基本的な考え方は、
本能的な<いやいや脳>(「眠いなぁ、もっと寝てたいなぁ」)と理性的な<おりこう脳>(「だめだ、起きなきゃ!」)があるのだけど、<いやいや脳>からの「いや!」が現れたら、「いや」な気持ちを承認してあげよう、その上でしつけるべき行動を徹底しよう、というものでした。
この説明だとなんのこっちゃ?だと思うので(笑)、以下(自分の後学のためにも)まとめておきます!
「いや」が起きる脳の仕組み
①脳幹部・・身体を司っている
②辺縁系・・感情と記憶を司っている
③皮質・・人間だけが高度に発達した賢い脳。
ここに前頭前野があり、考えたとおりに行動するための機能がある。
身体を司っている①脳幹部と、感情と記憶を司っている②辺縁系は命を守るために機能している本能的な賢さをもつ脳みその部分。
これが、「いや」の元になっている「いやな気持ち」が出てくる場所。
これを、この本では<いやいや脳>と呼んでいる。
対して、③皮質の前頭前野の部分は親の言うことを理解して言うことを聞こうと思う脳みそ。
この脳を<おりこう脳>と呼ぶ。
生まれた時は<いやいや脳>しか機能しておらず、まだ<おりこう脳>が機能していない。
成長発達に伴って<おりこう脳>が機能する。
<おりこう脳>は20年かけて完成する。
我慢する力
・我慢する力というのは<いやいや脳>と<おりこう脳>の間で情報がやりとりされて、その折り合いをつけることができるようになること。
「眠いなぁ、もっと寝てたいなぁ」→<いやいや脳>
「だめだ、起きなきゃ!」→<おりこう脳>
・<いやいや脳>の機能を認めてもらって、安心している状態があれば<おりこう脳>の機能は発揮される。
がまんする力の脳の機能を健全に育てるためには子どもに「安心・安全」を与えることができる、という関係性が必要。
不快な身体感覚や感情を親が察知して、保護し、欲求が満たされて、安心・安全に包まれると不快は制御される。
これががまんする力の基盤になる。
(心理学で「愛着の関係性」と呼ぶ)
・子どもの泣き方によって体が出しているメッセージをママがくみとって言葉にしてあげる。
「ぐずぐずな気持ちなのよね」「ママと遊びたいんだよね」など
気持ちを承認してあげる。
・泣かせちゃいけない、泣きやませなくちゃいけないと思いすぎないほうが、適度に泣いて、自然に泣きやむことができるようになる。
しつけ
・恐怖を与えて子どもをコントロールするのはしつけではなく支配。
・しつけとは子どもが自律=自ら律する力をつけること。
※支配は他律。
・自律とは<おりこう脳>と<いやいや脳>が折り合いをつけることを学ぶこと。
・守るべき「枠組み」を示す
・しつけのプロセス
①親:守るべき枠組みを示す
「アイスはごはん終わってから食べようね。もうすぐごはんだよ。」
②子:枠組みにぶつかって不快感情を表出する
「いやだー!今食べるー!」
③親:深い感情を承認するが、枠組みは変えない
「アイス今食べたいんだよね。ママがだめって言ってるから怒ってるのね。食べられなくて残念だけど、ごはん終わってから食べようね。」
※枠組みを守るということに徹する
④子:きちんと葛藤する(いやいや脳とおりこう脳の葛藤)
「食べたい!」「食べられない!」という葛藤が安全な関係性の中で行われるということが重要。
⑤子:自己の欲求の制御
ひとしきり泣いて残念な思いやイライラの気持ちを親に承認してもらっていると、しだいに今は食べられないという現実に適応するようになっていく。
大事なのは、食後にちゃんと約束通りアイスクリームを食べさせること。
これで
「終わってからね」という言葉の意味をはじめて理解する。
ポイントは、不快な感情(いやいや脳からの欲求パワー)は承認するが、枠組みは変えないことでおりこう脳の機能が育つ。
・しつけの枠組みとして設定する課題は
①社会のルール
②命と健康を守るための制限
以上です。
ヒナのイヤイヤ期が始まったらもう一度読んでみたいなと思った本でした。
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