去年の3月に、小米のCo-Founderの林斌 lín bīn さんの講演を聞く機会があって、そこから小米ファンです。
(影響受けやすい単純な私…。)
※画像引用:百度百科より
ここからは講演で聞いたお話を参考にまとめています。
小米
小米が扱っているのは、有名になるきっかけとなったスマホから、スマートウォッチ、空気清浄機などの家電、今では下着まで。
取り扱い商品は年々増えています。
今でこそ有名な小米、実は2010年設立。まだできて7年しか経ってないんですね。
小米の強さ
膨大なユーザーベース
MIUI
小米は独自のOSであるMIUI (Android)を提供しています。iPhoneのiOSのようなものです。
ユーザーはなんとのべ10億人!
(2016年3月時点。今はもっと増えてるだろうな。)
このMIUIのすごいところは、
毎週金曜日の17時に必ずアップデートをすること。
今まで5年間で250以上のアップデートをしてきているそうです。(同じく2016年3月時点)
この ’ライブ’ なオペレーションシステム、常に更新されている感が、ミソなんですな。
小米社区 Xiaomi Forum
小米のスマホ、実は3分の2の機能が、ユーザーからの希望を取り入れたもの。
小米社区 (Xiaomi Forum)と呼ばれるプラットフォーム上で、ユーザーは、「こんな機能追加してほしい!」という要望を書き込みます。
このフォーラムには4,000万人ほどのユーザーがいて、今まで24億以上の書き込みがされたそうです。(2016年3月時点)
例えば、スパムコールがきたら、「この番号はスパム!」と登録できます。
多くの人がその番号をスパム、とラベルした場合、電話を受けた時、「この番号はスパムの可能性あり」という表示が出るようになるわけです。
(中国は個人情報保護・プライバシー保護、という観念が薄いのか、お店などが、手に入れた携帯番号のリストを外部に簡単に売っちゃうのです…知らん人からしょっちゅう電話きます。)
あとは、ユーザーが電話を受けてすぐに切った場合、ポップアップで「これは営業の電話でしたか?」みたいな質問が出て、簡単にスパム送信者の情報を小米に送れるようになっているそう。
その他のユーザーから希望があって実現した機能は、フラッシュライト (懐中電灯機能) を、ワイプしたり、パスワードを入れたりせずともつけられるようにしたこと。
顺丰(中国の配達会社)の配達員が電話をかけてくる際、顔写真が見られるようにしたこと。
などなど数えきれないくらいたくさん。
ユーザーの希望を聞いて、その機能をつくってくれた開発エンジニアたちを、ユーザーが投票する、Popcorn Awardなるものもあります。(小米だけに?笑)
このフォーラムに参加しているユーザーたちは、希望機能を書き込むとお金がもらえる、というわけではありません。
自分が小米の役に立っている、自分の声が反映される、という感覚が、彼らに受けているわけです。
一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが成り立っているんですね。
膨大なユーザーの情報をうまく使って、企業価値を高めています。
独自の流通網
小米は、oppoなどのようにそこらへんにあるお店では買えません。
小米のプラットフォーム “小米商场” でのネット販売のみ。
(一部限定的にリアル店舗あり。)
▼WEB
https://www.mi.com/
▼スマホ
今回 光棍节 (双十一) で小米商品を買いましたが、その時使ったのも小米のアプリです。
つまりdistributionを完全にコントロールすることで、利益を高めているわけですね。
ルイヴィトンモデルです。
小米製品を買うには携帯の電話番号を紐づけてユーザー登録する必要があるので、誰がいつ何を買ったか、一目瞭然。
流通が分散していない分、ユーザー管理も楽チンです。
まじ、理想的。
お金をかけないマーケティング
小米の広告は、「できるだけお金をかけない、でも面白く、格好良く、クレイジーで、感情的で、魅力的なものを作る!」というのがモットーだそう。
( 英語で “low cost, but make it fun, cool, crazy, emotional, appealing!”と言っていました。)
例えば CEO雷军さんの “Are You OK?” という動画(Youtubeなどで検索してみてください)、中国の動画サイトでものすごい再生回数になって話題になったそうです。
最近の小米のCMはクール路線が強めな気がします。
フィンテック
日本では考えられないのだけれど、小米、ローンサービスにまで手を伸ばしました。
スマホに入っている膨大な情報を使って、個人の信用を測る、ということに成功。
例えば
・この人は誰と友達で
・誰と一番やりとりをするか
・その人の銀行口座にはいくら入っているか
・ネットショッピングで月にいくら支払っているか
などなど、
消費者からしたらぞぞっとするような個人情報をうまく使って、「この人ならお金を貸してもちゃんと返すだろう」という信用を数値化。
その数値によって、貸すお金の量を決めていると。
最大100万元まで貸し出すこともあるそうです。
政府の法律がまだ整備されていないうちに、こうやってフィンテックのインフラを作ってしまう、というスピード感…。すごいなぁ。
小米の今後
ユーザーベース matters!なビジネスモデルなので、今後は人口の多い国、インドなどにも力を入れていくそうです。
人口が少なく、Eコマースが中国ほど発達していない香港やシンガポールでは小米モデルはうまくまわらないそう。なんたって小米商品はネットでの販売が主流ですからね。
彼の口からは日本の「に」の字も出てきませんでした…。
この8割のクオリティを6割の値段で、そして個人ローンまでサービスを広げている小米。
OppoやVivoなどのように、インドでもうまくいくんじゃないかなと期待しています。
まとめ
appleにもちょっと似たシンプルな作り、そして安い価格帯(8割のクオリティのものを、6割の値段で売る!)、アフターサービス、などなど他にもたくさんの要素があると思うけれど、日本でやっている企業なかなかないだろうなぁ、と思った特徴をあげてみました。
情報を抜き取られている、と思うとちょっと怖くてスマホは使えないけれど、家電は本当に便利なのでこれからも使い続けたいなぁと思いました。
長くなってしまったので、買った家電のご紹介はまた別の記事で。
それでは最後までお読みいただきましてありがとうございました!
再见!
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