中国人と関わるようになって、あれ、なんか違う!と感じることはたくさんあるのだけれど、中でもここは特別違うなぁと感じるのが、時間感覚。
特に、スケジュールを決める、時間にコミットする、ということに関して、日本人と中国人は大きく異なります。
ゴールから逆引きしてスケジュールを決めてきっちり遂行していく日本人。
対して多くの中国人は、スケジュールを決める、ということを日本人ほどきっちりしません。
時間にコミットするのを、避けている気がします。
なんでなのでしょう??
スケジュールを決めてくれない例
グループワークのミーティングの日程が決まらない。
香港での大学院時代、中国人クラスメートと組むことが多かったグループワーク。
与えられたテーマに関して、グループで意見をまとめ、プレゼンするというもの。
私(日本人としては平均的な方かと)の感覚だと、
ゴール:○日にプレゼン
→□日をプレゼンの練習日にあてたい
→☓日までにパワポを90%完成できるようにしておきたい
→△日までに各自のパートを完成させてグループでまとめたい
→◇日までに役割分担したい
→だから◎日に最初のMTGをしよう!
と課題を告げられた日にパッと頭の中に浮かぶのだけれど、中国人のクラスメートたちはあまりそういう風に考えていない。
最初のMTGいつするか、みたいな会話は一切ないのです。
あまりに動きがないから不安になって、我慢できなくなって、私がガントチャートをひいて、いつ頃MTGどう?と話を振ってしまうのがいつもの流れ。
私が口を出さずに放置しておくとどうなるかというと、プレゼンの日が近づいてきて、クラスでプレゼン進んでる?みたいな話題が出てざわざわし始めると、ようやく「そろそろ始めっか、MTGいつする?」となります(笑)
さらにいざMTGをする、ということが決まっても、いつMTGをすると決めるまでにこれまたえっらい時間がかかるのです。私はMTGすると決めたらもうその場でぱぱっと日程と時間を設定したいのだけど、彼ら、いつがみんなの都合がいいか、というのを話し合っているグループチャットの中で、今食べてる美味しいご飯の写真とか送ってきて、しょっちゅう脱線します。「おい余計なことすな!それどのお店?ちゃうわ、とっとと先日程決めちゃおうぜ」、といつもイライラしていました(笑)
とにかく、いつなのかを、決めてくれない。
決めてくれないと、その間の時間の過ごし方が決まらない。
このままだと私ハゲる、と思って、グーグルドキュメントのスプレッドシートでスケジュール表を作って、「あいてる日○して!何日締切ね!参加できる人が一番多い日MTGやります!」と強制的にMTGの日程を設定していました。
あまりにも時間管理にうるさいもんだから、うるせーばばぁだなぁ、と思われていただろうし、みんな課題の締切日とか一切把握しようとせずに、その都度私に聞いてくる、という始末。
これもこれで考えものだなぁと思ったり。
1月からの授業スケジュールが12月になっても決まっていない。ランチMTGの予定がいつまでたっても決まらない。
私のクラスメートが特殊だったんじゃない?と思われる方もいるかもしれないけれど、周りに聞く限りそういうわけでもなさそうなのです。
交換留学で北京の大学で授業を受けていた時、アメリカ人の教授が、中国人の教授と学部の1月からの新学期授業スケジュールを決めるためにランチMTGをしようという話になっていたそうなのだけれど、その時点で既に12月上旬。そもそも遅いし、さらには中国人の教授がなかなかそのランチMTGの日程を決めてくれないんだ、とぼやいておりました。
「いつにする?」と何度聞いても、「また近くなったら連絡する」としか返ってこないと。
中国に10年以上いる教授ですら、なんで決めてくれないんだ、と、こればっかりは慣れない、と言っていましたよ。
翌年の祝日が決まるのは12月上旬
さらに規模を広げちゃうと、中国ではもう国家規模で、とにかくスケジュールを決めてくれないわけです。
毎年の国民の祝日が決まるのは、前年のだいたい12月月初。
今年のお休みが発表されたのは、去年の11月30日。これで、わー今年はやーい、と思ったレベル。
遅すぎない?
ちなみに中国で一番長くて、中国人さんにとって一番大切なお休みである春節は、毎年1月末〜2月中旬あたり。
前年の12月に発表とか、もはや1ヶ月ちょっと前じゃん。
旅行行くにしてもその時はもう飛行機高いじゃーーーーん!!
カレンダー制作とかどうしてんだろう、とかね。
中国人はなぜスケジュールを決めたがらないのか?
ずっと理由がわからなくてもやもやしていたのだけど、先述の中国歴が長いアメリカ人の教授が答えをくれました。
その教授、なかなかランチMTGの日程を決めてくれない中国人の教授に、「なんでスケジュール決められないの?」と直球で聞いてみたそう。(さすがど直球のアメリカ人!)
すると、
「もし学部長とか偉い人から急にお誘いが入ったら、あなたとの約束を断らなくてはいけない。それは申し訳なさすぎるから、確実に空いてる、というのがわかってからじゃないとあなたに連絡でない。今はまだ確実じゃないから約束できない。」
と言ったそう。
つまり、中国人さんは、「約束を破ってしまうこと、リスケしてしまうこと=相手のメンツを潰してしまうこと=悪」という考え方を持っているようなのです。
スケジュールを立てて効率的に行動できないことよりも、約束を破って相手のメンツを潰してしまうことの方がストレスを感じる、というわけ。
とりあえずざっとでもいいから予定を立てて計画的に動きたい、という認識の私たちからすると、だめになったらだめになったでその時柔軟にリスケすればいいじゃーん、と思うわけだけれど、中国人さんからすると、それは違うらしい。
たしかに、中国ではメンツが何よりも大事。よって相手のメンツをできる限り潰さないように気をつけることは出世していく上で必要なメンタリティ。
そして組織の上下関係がとても厳しく、上が言ったことは絶対、の中国では、上から突然呼ばれる、急な仕事を振られる、みたいなことは日常茶飯事なので、そういう時に対応できる余地を残しておきたい、という気持ちはわからなくもない。
日本人の感覚で、スケジュールを決めてくれないのは怠惰だからだ、と決めつけてしまうのは、違うんだなぁと知りましたよ。
まとめ
中国人がスケジュールを決めたがらないのは、急な予定が入って約束を守れないことで相手のメンツを潰してしまうのが申し訳ないと思っているから。
決して怠惰なわけではないのですね。
(もちろん怠惰な人もいるけれど、それは日本人だって一緒。)
いつも言っているけれど、考え方が違うだけ、なので、どちらが良い悪いではないです。
違うという事実と、その背景を知っておくだけで、以前の私のように、無意味にキーキーしなくて良くなります。
日本人の私たちにできることはきっと、
・郷に入っては郷に従え方式で、あまりきっちりスケジュールを立てすぎずに柔軟に動くようにする。(ただしだいぶアドリブ力が問われる。)
と、
・中国人さんに「リスケするのは全く問題ないよ」「ざっとでも決めておいてくれた方が私たちは動きやすいよ」というのを訴え続ける。
かなぁ、と思います。
考え方の違う中国で、最大限効果を発揮できるように、うまく適応していきたいものです。
それでは今日はこの辺で!
再见ヽ('∀`○)ノ♡
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