こんにちは!
佐々木信一郎さんの、『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』を読みました。
勉強になることがたくさんあったので、後に振り返って思い出したい時のために、簡単に要約しておこうと思います。
モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育とは?
マリア・モンテッソーリというイタリア人の女医によって生み出され、一九〇七年に世界中から注目を浴び、二つの世界大戦を通して忘れられ、アメリカによって再発見された教育。アメリカが取り上げたことで、モンテッソーリ教育のリバイバルが起こり、世界中に広まりました。
『個別教授』(Individual Teaching)、『早期学習』(Early Learning)、『行動修正』(Behavior Modification)などすべてのものをひとつにまとめたもの
「自分の興味から始めて、やればやるほど楽しくなり、なおかつ心の傷が癒え、最後にはきちんと力がついているような教育」
モンテッソーリ教育が子供一人ひとりの興味・関心から出発し、その興味・関心をさまざまな教科へとつなげて、発展させていく教育
モンテッソーリ教育は集団全員が一斉にやらなくてはいけないカリキュラムは存在しない。
モンテッソーリが子供を観察し、心理学、医学、生理学などを研究して得た事実としての発達がある。
そこから導き出された5つの教育分野▼
①日常生活の練習
②感覚教育
③算数教育
④言語教育
⑤文化教育
子供たちは、自分の年齢・月齢、発達ニーズ、ペースに合わせて、棚から自分のやりたい活動を選択し、取り組む
これによって、
自分を自分で育てる喜びを乳幼児期に豊かに積み重ねた子供は、いろいろなものへどんどん挑戦していく土台が創られている
なぜモンテッソーリ教育が必要か?
今までの教育は一方的で子どもたちに暗記をさせた偏差値重視の教育。
「偏差値は簡単にいえば記憶力。あまりモノを覚えると考えなくなる。」
(by 東北大学総長(当時)西澤潤一氏)
これからは知識を詰め込まれて、それを再生することに長けているだけの人は必要ないのです。むしろ、新しい知識・技術を創りだす人、自分で考えて問題を解決できる人こそが必要とされているのです。そうしなければ、現代の熾烈な経済戦争に勝つことはできません。
これからは、考える力が必要。
主体的に環境に関わり、意欲的に考え、学ぶ、これが本来の人間の姿
モンテッソーリでの他者との関わり方
他の子が集中して活動しているのを邪魔したりすることなどにはきちっと注意を与えます。
なぜなら、自由は、自分を守るための規律が片側にあって初めて機能し成立するものだからです。
自分も邪魔されたくないのであれば、最低限人の邪魔もしないという自分を律するコントロール力を身につけていく必要があるのです。
個が満たされると集団へ
自分を発達させるために自分で選択した活動に集中して取り組むとき、子供のなかには満足感、達成感が生まれます。
「あ、おもしろいな」「楽しいな」という生の充実感、生への躍動感が生まれます。情緒もとても落ち着いてきます。
そうなったとき、子供は初めて他者へ目を向けることができるようになるのです。
発達の旬、敏感期
発達の旬、敏感期=
子供が、ある能力を身につけるために、環境中のあるものに特別に敏感になり、主体的に関わるある一定の時期
※画像引用:『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』
0〜3歳 | 3〜6歳 | |
運動の敏感期 | 基本的な全体運動を獲得する時期 | 動きの洗練、自分の医師で全身をコントロールする力 |
感覚の敏感期 | 感覚器官の成熟、感覚的印象の吸収 | 感覚器官の洗練、知性の萌芽、感覚的印象の整理→概念形成 |
言語の敏感期 | 話し言葉の敏感期 | 書き言葉(文字)の敏感期 |
数の敏感期 | 数の敏感期 |
運動の敏感期
運動の敏感期にいる二~五歳くらいの子供たちは、腕、手、指などの微細な運動機能、身体各部の協応性、美しく洗練された動きなどを獲得
する。
この時期は模倣期でもある。
親の家庭生活の真似をし始める。
家庭で、同じ道具を使って真似させるのではなく、子供の小さい手でも操作が簡単なようにサイズを小型化して訓練させて、その動きに慣れたら実際に同じことをさせるのが良い。
※画像引用:『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』
模倣、いたずらは動きを学ぶかけがえのないもの。
自然の中で遊んだり、おもちゃで遊ぶことも動きをマスターするのに大切。
※動きの獲得は0歳〜6歳までの間にほぼ完成する。
感覚の敏感期
感覚器官を研ぎ澄まし、精度の高い感覚器官にするためには、感覚器官を使う必要
がある。
子供は自然にやっていること。
知性の萌芽
2歳半頃から、知性が働き始める。
対応づけ、段階づけ、分類など整理したりするときに必要な働き。
りんご→色は赤色、匂いは甘酸っぱい、形は球体、など。
感覚的印象の整理→概念形成
0歳〜3歳で周囲の感覚的なものを吸収する。
2歳半〜3歳頃から知性の働きによって今まで吸収してきた感覚的な印象を整理し始める。
①第一段階:記銘の段階→短期記憶
立方体を触らせながら、「これは大きいです」「これは小さいです」と名称を伝える段階
②第二段階:保持の段階→リハーサル
「大きいのはどれですか?」「小さいのはどれですか?」と子供に指差しをさせる。
③第三段階:再生の段階→長期記憶
「これはどのようですか?」と聞き、子供に「大きい」「小さい」と言わせる
モンテッソーリ教育の注意点
大人側が子供を理解する
子供は発達の途上で、大人からいらぬおせっかいをされ、横槍を入れられ、いろいろなものを押し付けられ、自分の人格を統一のとれたものに育むことができなくなります。
これを逸脱発達といいます。
大人の側に、子供たちは考える力を持っている、だから伸ばしてあげようという視点がなければ、このような教育はできない。
子供たちの方にも、この人は考えさせてくれるという信頼感がなければ、難しい。
子供は自分が弱い存在であり、大人から見捨てられたら生きていけないということを本能的に知っているため、絶えず大人の顔色をうかがいながら生活している。
子供の秩序感を尊重する
秩序感=3歳頃までの子供がみな持っている発達的特性で、外界の具体的なイメージに頼って生活しているため、毎日の出来事や場所がいつも通りでないと機嫌が悪くなったり泣いてしまうこと。
e.g.)いつも座っている席と違うところに座る。
いつもの状態に戻されると安心して平常に戻る。
年齢が上がり、抽象的な思考ができるようになる消える。
だから、「この子はこだわりが強い」とか「神経質で困る」と思わないこと。
子供たちが次の抽象的なステップへ上がるための土台となる大切な段階なのですから、秩序感を尊重してあげることが大切です。 むしろ、大人が秩序感という発達特性を意識して、規則正しく生活し、子供たちが安心して自分のなかに秩序を形成できるよう、ある程度環境も固定してあげてほしいと思います。
学びのスパイラルをたくさん経験する
乳幼児期の興味・関心は、自分を発達させてある能力をつけてしまうと、別な興味に形を変えて引き継がれ、次の興味・関心へ移っていきます。
子供が興味・関心を持って、主体的にあるものに取り組み、集中し、それを終えたとき、子供の内面
に意志力、我慢する力が育まれる。
自己コントロールカや我慢する力が、やりたくないことや厄介な問題にぶつかったときにもそれを乗り越えていく力の源になるのです。
乳幼児期に「学びのスパイラル」を回って、学ぶことの楽しさを経験した子供は、やりたくないことのなかにも、厄介な問題のなかにも、きっとおもしろさ、楽しさが含まれていることを実感として知っているのでしょう。
スパイラルを回れば、回るほど、子供の心は癒されていきます。
そして、学びの楽しさを知り、どんどん学び、本当に素直で、明るくなります。
さらには、自分を成長させることに価値をおき、自分で考え、他人と協調し、思いやりのある自立した子供になっていくのです。
このことをモンテッソーリは、正常化といっています。
自分と他者を肯定して人生を豊かにする
人生を豊かに生きていけるのは、自分も他者も肯定する生き方。
まずは自分がOK、という状態になること。
「あー、おもしろかった。楽しかった」という満足感、充実感、生への躍動感が生まれます。そして、「できた」「わかった」とさまざまなものへの理解が進み、能力がついていきます。続けて、それが自信、意欲、次への挑戦力につながっていくのでした。 この過程こそ、I am OKという、自分にも価値があり、生きるに足りるものだという立場を確立していくものです。
個が満たされると、次の意識は集団になり、他者を肯定できるようになる。
満たされているから一斉教育での先生の話に素直に耳が傾けられるし、少々嫌なものでも素直に応じる。
モンテッソーリ教育を家庭で行う
乳幼児期から
大人が子供と向き合うときには、子供に何かを教え込もうとするのではなく、心を真っ白にして、子供の興味・関心をくみ取ることが大切
↓
子供の興味・関心をくみ取るためにすること
・大人が子供に自由を与える
・よく観察する
(どんな遊びをしている?何をしたがっている?)
・遊ぶ
・信頼関係を築く
・仮設を立てて興味関心を見定める
(「注ぐ」という動きを獲得したがっているのかな?手首をまわす動きを獲得したいのかな?)
・その子にあった環境を整える
(ピッチャーを2つ用意して注ぐ遊び/練習をする、洗濯バサミを買ってつまむ練習をする)
※集中させる。親は声をかけずに見守る。
・子供と環境との接点をつける
・その興味を方向づけする
(今やっていることに飽きてきたら活動を広げてあげる)
家庭での注意点
・決して、先回りをして何かをさせようとしないこと
・いったん興味・関心がでてきたら、それに寄り添い、自分も一緒になって学ぶ姿勢を持つこと
・いったん子供が集中したら、余計なことをいったり、したりせず、充分時間をかけて、一つの活動に取り組ませること
・できないところは手伝い、できるところは子供に任せること
・子供が何を身につけたとかできるようになったかという結果を重視しないこと。
大事なのは過程、プロセス。
作品のできばえではなく、楽しんで取り組んだのか、集中して取り組んだのかを気にする。
以上、『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』の要約でした!
私もヒナの教育でモンテッソーリを取り入れていきたいと思います!
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