日本から遊びに来てくれた友達と故宮に行きました。
その頃ちょうど、清の時代の宮廷ドラマ《后宫 甄嬛传》(邦題「宮廷の諍い女」)を見ていて、故宮が舞台だったので、実際に行けて大興奮。
ああ、ここはあの皇帝が歩いたところかぁ、妃たちが集まっていたところかぁ、という感じで一人妄想の世界に行っておりました。
※ちなみに《甄嬛传》は、ネット小説を清の時代に当てはめただけで、史実に基づいたお話ではありません。
が、それでもやっぱりドラマを見た後だと、故宮に対するイメージがよりリアルなものになりました。
よくラストエンペラーを見てから故宮に行く、というのを聞きますが、きっとそんな感じ。
ラストエンペラー、まだ見てないから見ようかな。
故宮・紫禁城
明(1368-1644年 ※北京遷都は1421年)、清(1616-1912年)時代の王宮。
明の永楽帝が1406年から改築、1421年に南京から北京に遷都した際に使われた宮殿。
1924年11月5日をもって最後の皇帝 溥儀を初めとする皇族への紫禁城退去が通告されました。
1925年に一般公開され、故宮博物館という名前になりました。
故宮の見取り図
※画像引用:北京ing
太和殿、中和殿、保和殿の三殿は外朝で、政治活動を行う場所。外朝三殿と呼ばれます。
乾清宮、交泰殿、坤寧宮が内廷で、皇帝と皇后、妃たちの生活空間。后三宫と呼ばれます。
東西六宮と御花園は妃たちの居住地、娯楽を楽しんだ場所。
外朝三殿
太和門
【イメージ】▼こんな感じで家来たちが行き来していたんだろうなぁ。
※画像は《甄嬛传》より
太和殿
外朝三殿の正殿。
新しい皇帝の即位、年号の改め、戦争など重要な国事活動、
歴代皇帝の即位式や皇帝の誕生日、結婚、元旦や冬至などを祝う時と重要な朝会、筵宴、出征、そして皇帝の葬儀など宮廷の重大な式典を行った場所。
▼水瓶。みんなに触られてつるぴかな部分あり。
式典が行われる時には、太和殿前の広場に官吏たちが並んで、“三跪九叩頭の礼”を行ったそうです。
【イメージ】▼こんな感じだったのかな。
※画像は《甄嬛传》より
▼太和殿、中和殿、保和殿の外朝三殿は、漢白玉石の三層の基壇の上に建てられているので立派に見えます。
中和殿
外朝三殿のひとつ。
式典が太和殿で行われる直前に皇帝が大臣らから祝辞を受け、一旦、休憩した場所。
この中和殿は数ある紫禁城にある建物の中で唯一、正方形の形をしているのが特徴。
引用: 紫禁城 – Wikipedia
保和殿
式典が太和殿で行われる直前に皇帝が更衣をした場所。
乾隆帝以来、皇帝臨席の下、官吏採用試験である文科挙の最終試験である殿試が、ここで行われた。
引用: 紫禁城 – Wikipedia
順治帝と康熙帝はここに住んでいました。
▲この白い彫刻は、云龙石雕といって、9匹の龍が彫られています。
長さは16.57メートル以上、幅は3メートル。
▼皇帝は轿子jiào ziという籠に乗って登っていったそうです。
※画像引用《上新了故宫》
【イメージ】
※画像は《甄嬛传》より
【イメージ】▼科挙の殿試。こんな感じでした。
※画像は《蒼穹の昴》より
后三宫
乾清宮
清朝の雍正帝以前は、紫禁城を居城とした明・清両王朝の歴代皇帝の寝宮であったが、
清朝の雍正帝以降、清朝歴代皇帝の寝宮は養心殿へと移り、
皇帝が大臣を召見し、上奏文の処理、日常の政務を執る場所と筵宴(=宴会を意する勅語)を行う場所となった他、
皇帝が崩御した際、その棺を一旦、安置する場所ともなった。
引用: 紫禁城 – Wikipedia
雍正帝以降の皇帝の、政治を行った場所。
ドラマにも良く出てきます。
▼建物の中を覗くと、立派な椅子と、「正大光明」の文字。
【イメージ】▼《多情江山》で皇帝が座ってた場所ーーー!!
【イメージ】▼《甄嬛传》で、皇帝が亡くなる前に、次の跡継ぎとなる太子の名前を、乾清宮の「正大光明」の裏に入れていた、というシーン。
※画像は《甄嬛传》より
おおおここのことかぁ!と嬉しくなりましたよ。
乾清宮からちょっと歩くと、お庭のようなところに出ます。
後で行く、御花园と似ていました。
▼2本の木の枝が繋がっていひとつになっているこの木。夫婦円満の象徴だそう。
ご夫婦が2人でこんな可愛らしい写真を撮っていました♡
▼今でこそこんなに観光客がいますが、昔は位の高い一部の人しか入れなかったはず。
储秀宫
私たちが行った時は、储秀宫の后殿である丽景轩に入れました。
慈禧太后(=西太后。《苍穹之昴》で田中裕子が演じていた役!)が嫔の位の時にここに住んで、清朝10代目になる同治帝を生んだそうです。
西太后はその後10年ほど长春宫に住んだ後、50歳の誕生日にまたここに戻ってきました。
▼《苍穹之昴》、見ました!
※清の時代の妃の位については過去記事参照
▼西太后の息子 同治帝は10代目の皇帝。
※画像はWikipediaより
【イメージ】▼こんな風に、籠に乗って、妃たちがここを行き来していたんだろうなぁ。
※画像は《甄嬛传》より
【イメージ】▼こんな感じで家来たちがお仕えしていたのでしょう。
※画像は《蒼穹の昴》より
翊坤宫
清の時代のお妃様たちが住んだ場所。
西太后が储秀宫に住んでいた時、大事なイベントの時には、
后宫の妃たちがここに集まって、太后に挨拶をしたそうです。
▼《甄嬛传》では、(欢乐颂の樊小妹役をしていた)蒋欣演じる华妃が住んでいた場所。
むっちゃ意地悪な役でした…。
※画像は《甄嬛传》より
坤宁宫
1420年に建てられたもの。
明の時代に、歴代皇帝の皇后が居住した正宮。
清朝以降は、歴代皇帝と、その皇后との婚礼が行われ、皇帝と皇后が新婚初夜を過ごした場所。
▼【イメージ】こんな感じで家来たちが仕えていたんですね。
※画像は《多情江山》より
御花园
紫禁城最大の花園で楼閣がある他、堆秀山という山があり、紫禁城を居城とした明・清両王朝の歴代皇帝が、后妃達と遊楽をした場所でもある。
引用: 紫禁城 – Wikipedia
【イメージ】▼家来に、「御花园を歩きたいから付き合って」と言っています。
※画像は《甄嬛传》より
御花园は他にも、太后(皇帝のお母さん)、皇后、他の妃たちが集まって宴会をする場所としてもよく出てきます。
順貞門
さらに北に歩き続けて、順貞門から故宮を出ました。
ここから景山公園へ行きました!
感想
清の時代のドラマを見た後に故宮に行くと、タイムスリップした気持ちになって、とてもわくわくします。
ただの世界遺産、ただの木造建築物、ではなく、皇帝と、たくさんの女性と、たくさんの家来たちのストーリーがあった場所、に変わります。
目では建物や景色を見ていても、頭の中では登場人物たちが歩いている。
この感覚が、とっても楽しいのです。
もっともっと清の時代のドラマを見て、歴史を調べて、また故宮に行きたいなぁと思いました。
…年パスとかあったら買っちゃうかも。笑
とってもマニアックな内容になりましたが、
お付き合いいただきましてありがとうございました。
再见!
故宮博物館 観光情報
●営業時間:
・4月1日〜10月31日:8:30〜17:00
(※チケット販売は16:00まで、入園は16:10まで)
・11月1日〜3月31日:8:30〜16:30
(※チケット販売は15:30まで、入園は15:40まで)
●入場料金:
・4月1日〜10月31日まで60元
・11月1日〜3月31日まで 40元
珍宝馆 10元
钟表馆 10元
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私はネットで予約・購入し、現地でチケットをもらいました。
※中国の電話番号、中国の銀行口座または支付宝(Alipay)が必要です。
▼「蒼穹の昴」
故宮に行く前に小説を読んだりドラマを見るのをおすすめします!
Comments
ストーリーを感じて遺跡を見ると、感慨深いですよね〜。
浅田次郎の「蒼穹の昴」が読み物としてとても面白かったので、それを読んで故宮を見れてよかったです。テレビドラマ版の「苍穹之昴」も好きですけど、小説の方が断然楽しめました。
映画ラストエンペラーもいいですね。長いけど。
「甄嬛传」も華やかで通して見たいけど、女同士のドロドロが怖そうなので、チラ見で終わっています…。
当時はこんなに人がウヨウヨくるようになるなんて、想像もしなかったでしょうねぇ。
eパンダさん♡
コメントありがとうございます!(ドイツ旅素敵すぎて羨ましいです…♡)
本当に、故宮舞台のストーリーを読み聞きした後だと印象が違いますね!
「蒼穹の昴」、今ドラマを見ております…!そうなんですね!小説も買ったので読んでみようかな。
「ラストエンペラー」も見なくては!!
「甄嬛传」、本当にドロドロで怖かったです…笑
本当にこんなに人がたくさん見にきているのを当時の皇帝たちが知ったらびっくりしますね…。