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[中国ドラマ]《那年花开月正圆》『月に咲く花の如く』(孙俪主演)のあらすじ、見た感想(ネタバレあり)

那年花开月正圆 中国ドラマ

2017年8月10日から中国で放送されたドラマ。

英語タイトルは”nothing gold can stay”。

時代は清の末期。舞台は泾阳(涇陽)。

よくある宮廷ドラマではなくて、実在した、民間の女性商人周莹のお話です。

 

2017年、見てきたドラマの中で、というより、今まで見てきたドラマの中で一番面白かったです。

一番好き。

 

日本でも、2018年8月から放送されるそうなので、ぜひ見ていただきたいです!

邦題は、『月に咲く花の如く』

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《那年花开月正圆》『月に咲く花の如く』のあらすじ

父親と、二人で街を転々としながら、街頭芸をして生計をたてていた周莹。

ギャンブル好き、お酒好きな父親がお金にお困り、娘の周莹を沈家に売ってしまう。

小間使いとして沈家で働くことになった周莹は、沈家の次男沈星移に気に入られる。

自由に生きてきた周莹は規則だらけの名家の小間使いとして働くことに嫌気がさし、沈家を脱走する。

 

同じく名家の吴家に転がり込み吴家の一人息子吴聘に匿われる。

栄えていた吴家は、皇帝の一族である贝勒爷に目をつけられ、偽物の商品を作ったと言いがかりをつけられ、はめられてしまう。

ある日沈家の長男が吴家の倉庫で殺され、沈家と吴家は憎しみ合うことになります。

兄のために報復しようと、沈家の次男沈星移は吴家の長男吴聘を殴ってしまいます。

吴聘は意識不明の重体。

「結婚すれば元に戻る」という占いのもと、吴聘は意識不明のまま、幼馴染で許嫁だった胡咏梅と結婚することに。

ところが胡咏梅は、直前に父親に反対され、結婚を阻まれてしまう。

吴聘が生き返るためには約束の時間までに結婚しなければいけないため、小間使いになっていた周莹は意識不明状態の吴聘と結婚します。

 

沈家と吴家の関係を壊し、両家からお金を搾取し、人を次々に殺めていく贝勒爷と杜明礼に報復するために吴家の女当家となった周莹は商いを通じて戦います。

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邦題『月に咲く花の如く』について

日本で放送されることになって、邦題が『月に咲く花の如く』になったと知った時にとーっても違和感がありました。

ちなみに、中国語タイトルの《那年花开月正圆》は、意訳すると「あの頃花が咲いていて、月は丸かった」です。

ちょっとネタバレになってしまうのでこれから見る方はこの先見ないでいただきたいのですが、

月は、最初は吴聘を助けるために仕方なく吴聘と結婚した周莹が、吴聘と一緒に月を眺めて、吴聘に対して愛を感じたシーンを思い出させます。

花は、沈星移が「周莹のことが好きだ」とハッキリ自覚した時のモチーフになっていて、沈星移が周莹にアプローチをする時にも花を渡すシーンがあります。

つまり、月と花はそれぞれの男性のことを表していると思うわけです。

なので私は、《那年花开月正圆》を、「吴聘と一緒に月を眺めたあの頃の思い出と、沈星移と一緒に花を愛でたあの頃の思い出」という風に理解しました。

なので、『月に咲く花の如く』だと、月と花が別の意味を持たなくなってしまう気がするのです。

このドラマが大好きだからが故に、なんでこのタイトルにしたんだろう、とちょっと悶々としております。

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周莹のすごさ

贝勒爷と杜明礼にはめられ、一度は潰れかけた吴家を、周莹は立て直していきます。

学はないけれども、先見の明があり、商売センスは抜群。

彼女のすごさとは…??

※ネタバレ注意!

過ちを犯した人を許す、受け入れる

過去に自分を裏切った人も、許して、受け入れます。

お金のために自分を誘拐しようとした盗賊のリーダーを許して自分の用心棒にしてしまうし、自分を監獄に入れるまでに貶めた女性が妊娠した際、赤ちゃん用の洋服を縫ってあげました。

なかなかできることではない。

枠にはまらない

普通の人が考えつかないことを思いつきます。

周莹は、当時はなかった持ち株制度を思いつき、経済的に傾いた家を立て直しました。

偏見を持たない

当時は外国人(特に西欧人)は、中国人の魂を抜き取る、血を吸って生きてるなどの谣言が広まっていたため、外国人に近づく人はいませんでした。

が、周莹はそんなことおかまいなし。

自分が知らない世界を知っているということで、外国人のいる教会を訪ね、色々なことを教えてもらっていました。

人がどう思うかではなく自分がどう思うかを大事にする

女は家にいるべきだ、商売なんてするべきでない、というのが当たり前の時代。

周莹はそんなのおかしい、と、どんどん外に出ていき、多くの人と関わり、商売を成功させていきます。

人には得意なことをさせる

今でいうクラブ、キャバクラのような場所でホステスとして働いていた女性を吴家に置くことにした周莹。

吴家の人々は自分と彼女はいる世界が違う、と彼女のことを見下して、近づくことすらしなかったけれど、周莹は新商品を打ち出す際、彼女にファッションやお化粧の仕方、お茶の淹れ方を教えてもらい、プロモーションを成功させます。

目先の利益だけを追わない

手元のお金が少なくなると、焦ってしまいがちだけれど、周莹が見ているのは常に先の先。

お金がなくても将来に投資していきます。

利他的である

どんなに利益が出ても、それを自分で抱えず、みんなに還元していきます。

災害があった時は人々にお粥を配り、初めての女学校も作りました。

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実在する周莹

いやいやいうてもドラマでしょ、と思いきや周莹は実在する人物なのです。

周莹

※画像は百度百科より

周莹は1869年、陕西三原に生まれました。

ドラマと同じ、吴家吴聘に嫁ぎます。吴聘が亡くなった後、傾きかけた吴家を立て直します。

塩業から始まり、吴家の店舗は中国全国に広がりました。

その後蚕、コットン、綿布、薬、茶葉なども扱うように。

コットンや蚕の農家とは前もって契約をし、代金も早めに支払っていました。

そうすることで材料の充足と、価格の安定に成功していたのです。

ドラマでも描写がありましたが、周莹は吴家で新しく、家来たちに家の株を持たせる制度を実施し、資金を調達していました。

1900年に、慈禧太后(西太后)が西安に来た際、周莹は太后に10万两白银を納めました。

(※ドラマでは、西太后が泾阳に来た際、周莹の住む吴家东院に滞在しました。)

西太后は周莹を”义女”(義理の娘)としました。

民間人を義理の娘にするなど前代未聞。

辛丑条约の後、周莹は西太后にさらに白银を納め、

西太后は周莹に“一品诰命夫人”の位を与えました。

戦争や天災が起きると、米を分け与え、粥厂(お粥を作る簡易的な店舗)を作り、被災者に経済的援助をしました。

参考:周莹 – 百度百科

 

ドラマの中の作り事、ではなく、本当にこんな人がいたんだと思うと、とても感慨深いです。

尊敬する。こんな人になりたいな。

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《那年花开月正圆》を見る時知っておくと便利な中国語

副詞

・岂 qǐ=怎么 反问句でよく使われます。

・均 jūn=都

・存心 cún xīn=故意「わざと」

動詞

・休xiū=「離婚する」 or 「家から追い出す」

・悔婚 huǐ hūn=「婚約を破る」

・守寡 shŏu guǎ=「夫が亡くなった後未亡人として独身を貫く」

・内急 nèi jí=「お腹が痛くなる」「トイレに行きたくなる」

名詞

・老爷 lǎo ye=名家での当主

・少爷 shào ye=当主の息子 

 ※少は四声

・大爷=当主の長男

・二爷=当主の次男

・少奶奶 shào nǎi nai=当主の長男()の妻

・寡妇 guǎ fu=「未亡人」

・娘 niáng=妈「お母さん」

・爹 diē=爸「お父さん」

・娃 wá=孩子

・内人 nèi rén=「妻」「家内」偉い人に奥さんを紹介する時に使う。

・贱内 jiàn nèi=「私」謙遜する言い方。

・能耐 néng nài=能力

・京城 jīng chéng=「北京」

・迪化 dí huà=「新疆」(ウルムチあたりでしょうか)

・茅房 máo fáng=「トイレ」

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