中国版《深夜食堂》の24話~25話の、お醤油屋さんの親子の話。
具体的な部分はもちろん違うけれど、昔の自分に重なる部分があって、
ふわーっと、忘れていた昔の気持ちを思い出しました。
あらすじ
※画像引用：搜狐キャプチャー
▲醤油屋を営む老姜(左)とその一人息子姜大山(右)
息子の姜大山は醤油屋の息子として生まれ、
父親からも醤油屋の後を継ぐ様に育てられてきたが、
小さい頃からずっとファッションに興味があった。
父親に内緒で新聞の洋服の写真を切り抜いてノートに貼ったり、
編み物をして父親にセーターをプレゼントしたり。
そんな我が子を見て、「そんなことして女みたいで気持ち悪い！
お前は醤油屋になるんだからこんなことはやめろ！」と叱ります。
それでも言うことを聞かない姜大山に痺れを切らし、
父親は彼が大事に作ったファッションのノートを燃やしてしまいます。
姜大山は家出を決意し、しばらく音信不通に。
なんとパリのファッション界で有名なデザイナーになっていました。
ところがお父さんが重い病気に。
姜大山は久しぶりに中国に帰ってきます。
成功して初めて実家に帰ってきて、自分の原点がそこにあったことに気づく、というお話。
（あとは見てからのお楽しみということで）
老板の名言
親子二人の今までを見てきた深夜食堂の老板が25話の最後に言ったセリフです。
上一代的期盼 往往加注在下一代身上
上の代の望みは下の代に注がれる。
这种期望最终是希望孩子能够走上无忧的道路
最終的に親が望むのは、子供が苦しまない道を歩けるようになること。
或许方法过于严苛
時に厳しすぎるかもしれないけれど
但这都是因为 有一份真正的爱
それも本物の愛情があるが故。
不论过程中 有多大的争执与不和
途中言い争ったり仲が悪くなったりするかもしれないけれど
时间过去后
時間が過ぎればきっと
我们将学会 如何以温柔的眼光 看这一切
優しい目で全てを見られるようになる。
家人之间 那情感的挂念
家族の間で心配したり喧嘩したり、そういう感情こそが
或许 就是最大的传承
もしかすると最大の伝承なのかもしれない。
而传承中 最重要的
その中で一番大事なのは
就是相互的了解
お互いを理解すること。
与真正的融合
本当の意味で認め合うこと。
私の話
ここまでドラマティックな話ではないけれど、
私も昔母親と自分の仕事について言い合いをしたことがあって。
誰も興味ないと思うけれど語ります(笑)
私の母は、まだ男女雇用機会均等法ができたばかりのあの時代に、
超有名商社でバリバリ働いていた人で。
当時女性は内勤ばかりだった中、
母はその会社で女性で初めて名刺をもらった人。
バリバリ働いて、結婚して、私ができて。
輝かしいキャリアを諦めて、会社を辞めて、私を産んだ。
会社を辞めてからも資格をとったり家でできる仕事をして、
少なくても自分で稼ぐということを今の今まで一度もやめていない。
私はそんな母を見て、誇りに思っていたから、私も母のようになりたかった。
（ドラマとは逆ですな）
でも母は反対。
結婚しても子供ができても、ずっと続けられるような、そんなに大変じゃない仕事を選んだ方がいいと。
それに反発する私。
母の反対を押し切って、ブラック企業（笑）の営業職に就きました。
ストレスいっぱいで大変だったけれど、母にもほれ見たことか、と言われたけれど、
自分で決めたことを諦めるのが嫌で、踏ん張って、乗り越えた。
あの時の選択、後悔していないどころか誇りに思っている。
そしてその仕事は今の私にも繋がっている。
親が反対するのは、もうひとつの仕事というか義務というか。
どの家にもきっとあるのでしょう。
親は、心配するからこそ、自分のような辛い思いをしてほしくないからこそ、反対する。
子供は、親に反対されるからこそ、自分の意思を確認できて、貫く強さを持てる。
当時は苦しかったけれど、深夜食堂のこのセリフを聞いて、
ああこれもひとつの教育の形、愛情の形なんだなぁと。
そのやりとり自体を、大事にする、という発想、欠けてたなぁと。
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けんかも、ひとつの愛情の形。
今度日本に帰ったら、あの時反対してくれてありがとう、って、お母さんに言おう。
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