兵馬俑、秦始皇帝陵を見た後、骊山の北麓にある温泉地、華清池に行きました。
華清池
2700年前の後周や隋代に発見、開発された温泉地。
その後唐の2代目皇帝、太宗・李世民が、644年に「温泉宮」を造りました。
太宗は武則天の最初のだんな様ですね。
740年、唐の9代目皇帝、玄宗は、皇子である寿王・李瑁の妻である楊玉環(後の楊貴妃)を女道士として、ここに住まわせました。その後楊玉環は玄宗の妃となり、寵愛されます。(息子の奥さん奪っちゃう父ちゃんすげー。)玄宗は寒さを避けるために、毎年ここに長く滞在していたそうです。
映画《王朝的女人 杨贵妃》を見ると流れがよくわかりますよ。
華清宮は742〜756年の間に造られました。
白居易の《长恨歌》には、楊貴妃がこの温泉に入っていた、という記述があります。
最近放映された映画《妖猫传》(邦題「空海 – KU-KAI – 美しき王妃の謎」)にも、白居易が楊貴妃について書いた詩《长恨歌》について出てきます。
だんだん華清池の紹介してるんだかドラマの紹介してるんだかわからなくなってきました…!(笑)
でもドラマ、映画を見てから行くと、こういう観光地がよりリアルに感じられますよ。
チケット
チケットは3〜11月は150元。
12〜2月は120元。
私は锦绣江山全国联合旅游年票という、中国の観光地のチケットが無料になったり割引になったりするカードを持っているので、10%OFFになって、135元では入れました。▼
▼いよいよ中に入ります!
▼大きな池が!
▼滝も流れています。
▼日本の絵馬のようなもの。「家族みんな健康でいられますように」という祈りがたくさんかかっていました。
▼楊貴妃の像
唐の時代はちょっとぽっちゃりが美人とされていたそうです。
(あぁ私も唐の時代に生まれたかったよー!とはいえ結局問題は顔な気もする…涙)
海棠湯
玄宗が楊貴妃に贈った浴槽。
海棠(カイドウ)の花の形だそうです。
東西3.6メートル、南北2.9メートル。
真ん中には水を入れる进水口があります。
出土した時は漢白玉でできた蓮の花の彫刻も見つかったそうです。
陶水管が源泉と繋がっています。
蓮華湯
蓮の花のような形をしている、ということでこの名前がつきました。
東西に10.6メートル、南北は6メートルと大きい浴槽です。
花座、石礎、穴など全て2つずつあり、玄宗が楊貴妃と末永く幸せでいられるように、と願って造らせたのではないかと言われています。(”在天愿作比翼鸟,在地愿为连理枝”)
星辰湯
太宗・李世民の汤泉宫の文化遺産。
楊貴妃の浴槽の100年以上前、644年に造られました。
唐の礼制、規則にのっとって造られていて、天空星象、二十四節気の理念も含まれています。
古代では宇宙で神様が、地上では皇帝が人民を治めていると考えられていて、星の移り変わりや空の明るさの変化、隕石が落ちてくることは皇権の変化を表していると言われていました。
“天人合一”を信じていた玄宗が”星辰湯”と名づけたそうです。
尚食湯
これも唐代に作られたもの。
皇帝に食事(御膳)を作る官員が使っていたお風呂と言われています。他にも尚薬、尚衣など五局の官員たちも使っていたという説もあります。
これは隣の中国人ガイドさんが他のお客さんに話しているのを聞き耳立てて聞いたのだけど、入口付近にある6つの穴は、皇帝に仕えている人たちが皇帝に触る手で自分の足の裏を洗うのはよろしくない、ということで、この穴を使って足の裏をごしごししていた、そうです。
太子湯
644年に作られたもの。1982年に出土しました。
李承乾、治、忠、弘、賢、宪、旦、君崇、隆基、瑛の10人の太子たちがここで沐浴をしていたと言われています。
この10人のうち4人が皇帝になり、6人は権力争いの犠牲になってしまいました。
ここの水は皇帝のお風呂である星辰湯の排水が使われており、皇帝と太子の尊卑関係を表していたと言われています。太子にきちっと上下関係をわからせると同時に、太子は父皇と同じお風呂に入る恩恵を受けることができる、という意味合いもありました。
湯源
3つの源泉があります。
▼実際にお湯が出てきています。
▼蓮の花の形の噴水。
西安事変旧址
華清池の奥には西安事変の旧址、五间厅があります。
西安事変
1936年12月12日に中華民国西安で起きた、張学良・楊虎城らによる蒋介石拉致監禁事件。
日本語では西安事件。
当時蒋介石は華清池に滞在していました。
五间厅
1936年の10月と12月の2回、蒋介石が泊まった五间厅が残っています。
五间厅は西から侍从室,卧室、办公室、会议室、秘书室。
蒋介石はこの五间厅で軍事会議をしていました。
張学良、楊虎城の2人の将軍は”攘外必先安内”を掲げていた蒋介石に不満を持ち、12月12日に蒋介石を連行します。
▼蒋介石の沐浴室
▼楊貴妃のお風呂と同じ形です。
▼銃弾の跡があります。
▼激しい銃撃戦だったことがうかがえます。
骊山
昭陽門を越えたら骊山に登れます。
▼華清宮が一望できます。
骊山は海抜1302メートルの泰岭山の一部。
けっこうな距離だったので私たちはこのスポットまで行って引き返しました。
長恨歌のパフォーマンス
4〜10月まで毎日20:30〜21:40にパフォーマンスがあります。
※屋外のため天候によっては中止
▼こんな席です。
▼ステージ
私たちが行った時は清明節の祝日だったからか、チケットが1万円くらいしていて、貧乏な私たちは断念しました。
中国人さんにすごく人気だそう。
チケットは、華清宮のチケット売り場で買うことができます。
まとめ
唐の時代って今から1500年くらい前のこと。
当時皇帝や妃が使っていた温泉、湯船が残ってるなんて。
そして皇帝に愛されて、温泉までプレゼントされちゃう楊貴妃。
なんかもう、いちいち規模がすごすぎて、あぁ、もう、うまく言葉で表現できない!ごめん!
(諦めた…ダメブロガー!)
観光情報
●住所:華清路38号
●営業時間:
7:00〜18:00
●入場料:
3〜11月:150元
12〜2月:120元
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