今更感がありますが、2013年に中国で放送されたドラマ、《兰陵王》(邦題『蘭陵王』)を見ました。
蘭陵王とは誰か?
蘭陵王は実在する人物。
名前は高长恭。(541年〜573年)
南北朝時代、北齐の宗室であり、将领。
神武帝 高欢の孫で,文襄帝 高澄の第四子。
※画像引用:北齐 – wikipedia
※赤い記はドラマに出てくる人物
一説には、中国四大美男子の一人と言われています。
あまりにも美男子だったので、兵達が見惚れて士気が上がらず、敵に侮られるのを恐れ、必ず仮面をかぶって出陣していたそう。
(ドラマでは、心優しく人を殺したくない蘭陵王が、仮面をかぶることで戦争モードに入れる、と言っていました。)
高殷が即位し、兰陵郡王となります。
後に、尚书令、录尚书事、大司马、太保、太尉などの役職につきます。
(ドラマでは尚书令に就いている時のことが描かれていました。)
564年、西魏の大将军が起こした邙山の戦いでたった500の騎兵で、金墉を救ったことが有名になり、後には彼の邙山の戦いでの様子を表現した《兰陵王入阵曲》という曲まで生まれます。
農民たちの苦悩を理解し、兵士たちを思いやる人で、人々から愛されていました。
573年,北齐の皇帝となった高纬に妬まれ、たった33歳という若さで自害させられてしまいます。
妻は、兰陵王妃郑氏。
(ドラマでも奥さんは”郑氏”。大事なキーワードです。)
《兰陵王入阵曲》『蘭陵王入陣曲』
画像引用:奈良県県民だより
蘭陵王をテーマにした曲、《兰陵王入阵曲》は中国では徐々に忘れられてしまいましたが、唐の時代、日本に伝わり、形を残していました。
当時日本では旧暦5月5日の赛马节会、7月7日の相撲の歌会などで、この曲が演奏されていたそうです。
今でも奈良の春日大社で、1月15日に行われる雅楽の演奏会で、演奏されているそうです。
唐时传入日本的《兰陵王入阵曲》保留了几份真实面貌。日本古代五月五日的赛马节会、七月七日的相扑节会、射箭大赛等庆祝胜利时,都要反复演奏此曲。直到现在日本奈良元月十五日“春日大社”举行一年一度的日本古典乐舞表演时,《兰陵王入阵曲》仍作为第一个独舞表演节目。
引用:高长恭 – 百度百科
中国唯一の女皇帝、武則天のドラマ《武媚娘传奇》の中でも、武則天が仮面をつけて《兰陵王入阵曲》を踊っていました。(このメロディーが本物なのかは不明。)
後に、楊貴妃の旦那様、唐玄宗(唐高宗李治・武則天の孫)によってこの曲の演奏は禁止されてしまいました。
《蘭陵王》『蘭陵王』を見た感想
前半が面白かったです。(全46話)
後半はちょっとダレてきて、2倍速にして見てました。歩いてるシーンみんな小走りになってて面白かった(笑)←
中国時代劇あるあるなんだけど、ヒロインのことを、出てくる男性みんな好きになっちゃうわけです。
そして、キケンな目にあったら絶対助けてもらえる。
羨ましい…(笑)
ここらへんは、《锦绣未央》(日本語タイトル「王女未央 – BIOU-」)に似てました。
それにしても、本当に、ヒロイン雪舞役の林依晨が可愛くて、そのおかげで最後まで見られた感があります。
中国ドラマに出てくる女優さん、けっこう、明らか整形!っていう人が多くて、目がギョロっと大きくて逆に怖いのだけど、彼女は自然の美しさで、好感持てました。
《兰陵王》『蘭陵王』の主題歌
▼オープニング曲《入阵曲》(唄:五月天)
▼エンディング曲《手掌心》(唄:丁当)
▼挿入歌《命运》(唄:家家)
サウンドトラックはこちら▼
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《兰陵王》『蘭陵王』を見ていて気になった点(ネタバレあり)
ここからは、ネタバレありなのでドラマを見終わった方のみ見てください〜。
いくつか気になった点がありました。
皇太后(蘭陵王の祖母)のことを雪舞が気軽に姥姥と呼ぶ
雪舞が最初に皇太后に会った時、皇太后は雪舞に自分の身分を明かさなかった、というのもあるのだけど、皇太后だとわかった後も雪舞が気軽に「姥姥(おばあちゃん)」と呼ぶのはありえないんじゃないかしら?と思ってしまいました。
その時代に生きてないからわからないけど、規則の厳しいあの時代に、皇帝のお母さまである皇太后におばあちゃんなんて言ったらそれだけで殺されそう。
雪舞が贱民村で障害のある民が自分たちで農業ができるよう指導していたという事実、結局蘭陵王知らないまま?
雪舞は夫である蘭陵王が国の経済政策について悩んでいる時、夫を助けようと障害を持ち戸籍のない人が住む贱民村(身分の高い人、裕福な人は絶対に近寄らない場所)で人々が自立してお金を稼げるようにと、義足を作ったり農作業の仕方を教えたりします。
夫に心配かけたくないから内緒で。
が、昼間に夫に内緒で出歩いている、というのがきっかけで雪舞は蘭陵王と喧嘩してしまいます。
仲直りはするものの、昼間出歩いていた理由に関しての言及はなく。(それ以上にすごいことが起こっちゃうからなんだけど。)
結局、夫のためにこんなに頑張っていたこと、蘭陵王は知らないままなんじゃない?と思ったらなんかやりきれなーい!
皇太后は喧嘩している雪舞と蘭陵王の仲直りを計るが、結局それが原因でさらに喧嘩は悪化。
皇太后(姥姥)が、お互いの勘違いが理由で喧嘩している雪舞と蘭陵王に仲直りしてもらおうと、雪舞が病気であると嘘をついて蘭陵王に謝らせようとします。
が、結局仮病であることがバレて、余計に蘭陵王は怒ってしまいます。
力もあって頼りになるおばあちゃんかと思いきや、うっかり失敗…!
この仲直り作戦失敗してしまう役、別に皇太后じゃなくても良かったんじゃないかと思ってしまいました。
皇太后、あっけなく殺される…
もっと雪舞と蘭陵王の味方として守ってくれるのかと思いきや、なんのひねりもなく殺されてしまいます。
皇太后みたいな超お偉いさんがいる場所、警備弱すぎやろ!と思ってしまいました。
しかも蘭陵王と雪舞の仲直り大作戦が失敗したどころか悪化したことすら知らずに亡くなってしまうわけです。
なんかもう、いろいろ、どうして…って感じでした(語彙力)。
医術はないと言っていた雪舞が後半はすごい知識あった
伝説の天女と言われる雪舞ですが、医術はありませんでした。
本人もそう言っていました。
が、なぜかドラマ後半になると薬草のことに詳しくなっていて、医の知識めちゃくちゃあるやーんってなっていました。
キャラは、貫いてくれないと、ストーリーに集中できないよー!
雪舞、硫黄多用しすぎ(笑)
雪舞、昔から硫黄を使って花火を作ったり火を燃やしたりしていましたが、もう蘭陵王と結婚してからも、とにかく硫黄を多用します。
あまりにも多いから、出た、硫黄!ってな感じでちょっとおもしろかった。
皇帝と郑儿、トドメ刺さなすぎ。
蘭陵王と天女、雪舞を恨んでいる皇帝と郑儿。
何度も二人を殺すチャンスがありましたが、全然殺さない。
殺しちゃったらお話終わっちゃうけどね…。
妊婦になった雪舞の異常な生命力
妊娠中背中を矢で刺されるが、無事。
臨月で陣痛来てる時に敵に襲われても、無事。
そして無事にお子を産み落とす。
生命力、すごすぎる。
皇帝と郑儿、もっとうまく殺せた
最後、蘭陵王と雪舞は、悪政をはたらく皇帝と郑儿を止めるために城に乗り込みますが、その方法がなんともお粗末で…もうちょっとうまくやれば、犠牲を出さずにやっつけられたよー!
そんな終わり方嫌やーーー!
という感じでした。
そんなこんなで、つっこみどころはたくさんあったけれど、蘭陵王という人物に興味が持てたのは良かったです。
南北朝時代の歴史をほとんど理解していなかったので、良いきっかけになりました。
Comments
『蘭陵王』と『蘭陵王妃〜王と皇帝に愛された女〜』は別のドラマですよ。
ご指摘ありがとうございます。直しました。